ひるむしろ (蛭蓆)
学名 |
Potamogeton distinctus (P. franchetii) |
日本名 |
ヒルムシロ |
科名(日本名) |
ヒルムシロ科 |
日本語別名 |
クチアケ、ツバキバ、ヒロリ、ゲタノヒモ、ヒルモ、サジナ |
漢名 |
眼子菜(ガンシサイ, yănzĭcài) |
科名(漢名) |
眼子菜(ガンシサイ, yănzĭcài)科 |
漢語別名 |
泉生眼子菜、鴨子草(オウシソウ,yazicao)、水案板(スイアンバン,shui'anban)、牙齒草(ガシソウ,yachicao) |
英名 |
Distinct pondweed |
辨 |
新しいAPGにおける被子植物の分類ついては、被子植物を見よ。 |
ヒルムシロ科 Potamogetonaceae(眼子菜 yănzĭcài 科)には、7属 約100種がある。
ヒルムシロ属 Potamogeton(眼子菜屬)
リュウノヒゲモ属 Stuckenia(箆齒眼子菜屬) 世界に7種
リュウノヒゲモS. pectinata(Potamogeton pectinatus(箆齒眼子菜)
『中国雑草原色図鑑』279
イトクズモ属 Zannichellia(角果藻屬) 世界に1-6種
イトクズモ Z. palustris(角果藻)
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ヒルムシロ属 Potamogeton(眼子菜 yănzĭcài 屬)には、世界に約70種がある。
ホソバヒルムシロ P. alpinus(P.tenuifolius, P.alpinus subsp.tenuifolius;
高山眼子菜)
オオササエビモ P. × anguillanus(P.×intortusifolius)
ツガルモク P. × angustifolius
ツツヤナギモ P. × apertus
イトモ P. berchtordii(繊細眼子菜)
エゾヤナギモ P. compressus(P.sibiricus;扁莖眼子菜)
エビモ P. crispus(菹草)『中国雑草原色図鑑』277
コバノヒルムシロ(トゲミミズヒキモ) P. cristatus(鷄冠眼子菜・小葉眼子菜)
『中国雑草原色図鑑』277
P. delavayi(牙齒草)
ガシャクモ P. dentatus
ヒルムシロ P. distinctus(P.franchetii;眼子菜)
『中国本草図録』Ⅶ/3395・『中国雑草原色図鑑』278
アイノコヤナギモ P. × fauriei
P. friesii(弗里斯眼子菜)
フトヒルムシロ P. fryeri
エゾノヒルムシロ P. gramineus(var. heterophyllus, P.heterophyllus;禾葉眼子菜)
インバモ P. × inbaensis
ヒロハノササバモ var. pesudomalaianus
カモガワモ P. × kamogawensis
アイノコセンニンモ P. × kyushuensis
ヒロハノセンニンモ P. × leptocephalus
フジエビモ var. fujiensis
P. lucens(光葉眼子菜) 『中国本草図録』Ⅵ/2917・『中国雑草原色図鑑』279
subsp. sinicus
ガシャモク var. teganumensis(P.dentatus, P.teganumensis)
絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
センニンモ P. maackianus(微齒眼子菜)
アイノコヒルムシロ P. × malainoides
P. malaianus(竹葉眼子菜)『中国雑草原色図鑑』278
ナガバイトモ P. mandshuriensis(東北眼子菜)
オヒルムシロ P. natans(浮葉眼子菜) 『中国本草図録』Ⅵ/2918
ササエビモ P. × nitens(P.nipponicus)
P. nodosus(P.indicus, P.malaianus;小節眼子菜)
ノモトヒロムシロ P. × nomotoensis
イヌイトモ P. obtusifolius(鈍葉眼子菜) 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
P. octandrus(八蕊眼子菜・鈍脊眼子菜)
ミズヒキモ var. miduhikimo(var,limosellifolius, P.limosellifolius,
P.miduhikimo)
ホソバミズヒキモ var. octandrus(P.iriomotensis)
アイノコイトモ P. × orientalis
ヤナギモ P. oxyphyllus(尖葉眼子菜)
リュウノヒゲモ P.pectinayus(Stuckenia pectinata)
ヒロハノエビモ P. perfoliatus(穿葉眼子菜)
『中国本草図録』Ⅸ/4391・『中国雑草原色図鑑』280
サンネンモ P. × philippinensis(P.×biwaensis)
ナガバエビモ P. praelongus(白莖眼子菜) 絶滅危惧IA類(CR,環境省RedList2020)
ツツイトモ(イトモ) P. pusillus(P.panormitanus;小眼子菜)
ツツミズヒキモ P. × tosaensis
ササバモ P. wrightii (竹葉眼子菜)
ヒメオヒルムシロ P. × yamagataensis
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訓 |
「和名蛭席ハ其葉ヲ蛭ノ居處ニ擬セシ稱、蛭藻モ同義ナリ、或ハ蛭ノ住ム處ノ藻トモ解シ得ベシ。匙菜ノ稱ハ葉形ニ基ク」(『牧野日本植物圖鑑』)。 |
『本草和名』虵床子に、「和名比留无之呂、一名波末世利」と。
『延喜式』虵床子に、「ヒルムシロ」と。
『倭名類聚抄』蛇床子に、「和名比流牟之呂」と。
ただし、蛇床は、ハマゼリの同属異種オカゼリ。
『大和本草』に、「眼子菜(ヒルムシロ) 倭名ヒルムシロト云」と。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・琉球・朝鮮・漢土・ヒマラヤ・インドシナ・マレシア・極東ロシアに分布。
田の雑草。 |
誌 |
中国では、ヒルムシロなどの全草を眼子菜(ガンシサイ, yănzĭcài)と呼び薬用にする(〇印は正品)。 『全国中草葯匯編』上/780
コバノヒルムシロ P. cristatus(鷄冠眼子菜・小葉眼子菜)
P. delavayi(牙齒草)
〇ヒルムシロ P. distinctus(P.franchetii;眼子菜)
オヒルムシロ P. natans(浮葉眼子菜)
P. nodosus(P.indicus, P.malaianus;小節眼子菜)
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『万葉集』に、
あはをろの(不詳)を(峯)ろた(田)にお(生)はるたはみづら(蔓)
ひ(引)かばぬるぬるあ(吾)をこと(言)なた(絶)え (14/3501,読人知らず)
とある「たはみづら(多波美豆良)」を、一説にヒルムシロとする(松田)。
ただし、たはみづらの語は、これ以後見ない。 |
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